ホーム>社説・コラム>社説 2001.01.07(土)19:29

昔の伝染病が蔓延する韓国

 赤痢や麻疹など、後進国型伝染病が蔓延して国民健康を脅かしている。これにより国際社会に「韓国は伝染病国家だ」というイメージを与えはしないか懸念される。こうした古典的伝染病も治療できずにいるのがOECD加盟国である我が国の事情であるだけに、遠からずエイズなど新種の難病が「大爆発」しないか心配である。

 麻疹は94年に蔓延してからここ数年は収まっていたが、昨年から再び急激に増加して最近は患者が毎日数百人ずつ発生している。赤痢患者も増えている。昨年は世界的観光地として有名な済州(チェジュ)道で赤痢患者が1700人も発生した。赤痢患者のうち新型抗生剤が効かない場合もあり、問題が軽くないことをうかがわせる。政府は麻疹の2次接種を前倒しするなど対策を講じているが状況はすでに悪化一路をたどっている。伝染病が蔓延するという噂が米国や日本などに広まれば「韓国訪問の年」や「ワールドカップ」はすべて台無しになるかのしれない。

 ここまで状態が悪化したのには様々な原因があるだろう。政府がまるで伝染病を完全に撲滅したかのように怠慢だったのが最も大きな問題だ。最近は環境ホルモンなど極微量の化学物質が健康に及ぼす影響については過剰反応をみせながらも、それより深刻な細菌性疾患に対する社会的関心はいつのまにか消えてしまった。環境問題が台頭し、衛生問題は相対的におろそかにしたという面もある。また防疫をしようとすると生態界を破壊するという非難があったのがこれまでの事情だ。政府は今からでも伝染病問題を主な国家的議題にすべきだろう。







[PR]動画