ホーム>社会 2001.09.05(月)20:49

血液の管理「めちゃくちゃ」

 大韓赤十字社の南部血液院が「梅毒血液」を患者の輸血用に提供した事実が明らかになり、国内の血液管理がずさんであるという指摘を受けている。

 特に赤十字社は事故の事実を被害者である患者にすら知らせておらず、監督官庁の福祉部にも報告しなかった隠蔽疑惑まで持たれている。

◆追加事故の可能性=赤十字社は5日「梅毒血液」が輸血用に供給された理由について、ソウル南部血液院の電算網に一時的に問題が生じたためだと主張した。また「不適合判定が下された血液が輸血用に供給されたかどうかを調査した結果、昨年以降1件もなかった」と主張した。しかし現在の電算網プログラムが稼動されたのは99年6月からであるため、その後の血液に対しても全面的な再調査が必要だ。また全国16の血液院中7の血液院が同じ電算網プログラム体系を使っており、類似した事故が発生した可能性も排除できない。

◆ずさんな血液管理=昨年5月ヨンナム大学の医療院で1歳の男児が心臓病手術を受けた後、マラリアに感染した。マラリアの患者が多く発生する「献血危険地域」である京畿(キョンギ)道、江原(カンウォン)道地域の軍人から献血を受けた血液を輸血されたからだった。この地域ではなるべく採血しないようにし、したとしても問診を経て特別管理するようになっている内部指針を違反したのだ。赤十字社の人員と装備不足も深刻だ。血液を監視、監督する常勤医師が全国16の血液院中12人に過ぎない。また輸血用血液を病院に運搬する際に使われる運搬箱も常温で4時間を超えないように規定されているが、交通事情で4時間を超えることが多く、細菌汚染や変質による輸血事故の恐れがある。

◆被害者に隠蔽した疑惑=医療界では、輸血事故の事実を患者に知らせなかったのはあり得ないことだと非難した。赤十字社が事故の発生を知ったのは輸血してから4日後の7月18日であったが、この事実を該当病院に知らせたのは約20日が過ぎた8月8日だった。また病院側が公開を望まないという理由で事故自体を患者らに通報しなかった。医療法専門家の崔載千(チェ・ジェチョン)弁護士は「赤十字社は『告知義務』を違反したことに対して責任を取るべきだ。病院の場合、感染されていないので法律的責任はないが、倫理的責任は逃れられない」と話した。

金東燮(キム・ドンソプ)記者                              林昊俊(イム・ホジュン)記者







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