韓国製ギョーザの輸入停止 腐った大根入り流通の恐れ
厚生労働省は9日までに、「腐敗した大根など不衛生な原材料を使ったギョーザが韓国で流通しているとの情報を入手した」として、韓国からのギョーザや、ギョーザの具の輸入を暫定的に停止する措置を取った。
厚労省によると、韓国からは今年1月以降だけで49件、437トンの冷凍ギョーザが輸入されている。同省は、食品衛生上問題がある製品の輸入が確認されれば回収を求める方針。
ギョーザのほか、同様の具が使われた可能性があるとして韓国産の中華まんじゅうも対象に、全国の検疫所に輸入を認めないよう指示した。
厚労省や現地の新聞報道によると、韓国の食材納品会社が約4年半にわたり、たくあん製造会社から使い残しや腐った大根を無料で引き取り、廃井戸からくみ上げた水も使って作ったギョーザなどの具を取引先に納品していたことが発覚。国立機関の検査で食中毒の原因となる細菌が検出されたとされる。
厚労省は韓国当局を通じ、日本への輸出の有無など事実関係の確認を急いでいる。
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韓国では今月初め、腐敗した大根などを使った疑いがあるギョーザが広く流通していたことが発覚、「生ごみギョーザ」として社会問題化している。事態を重視した食品安全当局は10日に製造業者25社の調査を終え、実名を公表する方針だ。
一方、韓国メディアによると、京畿道坡州市に工場を持つ製造業者は2001年から3度にわたって同問題で市側から処分を受けながら、罰金を支払っただけで2000トン以上も生産を続けており、食品安全システムや行政の対応への批判も強まっている。
使用された大根はたくあんの端の部分で、ギョーザの材料としたが、製品の原材料には記載せず「肉ギョーザ」などとして販売されていた。
食品安全当局は通報を受け、5月初めから大根の仕入れ先や納入業者を調査した。しかし「既に警察が捜査をしていた」として調査を中断。今月9日には大手食品会社もこのギョーザを納入・販売していたことが分かり、市民からは「行政の怠慢が国民に生ごみギョーザを食べさせた」と批判が出て、問題は拡大しそうな勢いだ。(共同)
(06/09 23:26)
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